三栄商事 後藤正幸社長のわくわく教室

名古屋の老舗機械商社の三栄商事(株)代表取締役 後藤正幸の社長塾ブログです。

「SAN-EI わくわく チャレンジ」をベースに、三栄商事の未来について一緒に話し合いましょう!

カテゴリ: わくわく教室レポート

緊急事態宣言が明け、約2か月ぶりのわくわく教室ブログを更新します。

Aさん:前回からわくわく教室の形を変え、「SAN-EIわくわくチャレンジ」を皆さんに理解してもらうために、自分自身がわからなかったことを社長にヒアリングするなどしてまとめた資料を解説しています。

前回は「SAN-EIわくわくチャレンジ」の全体像をお伝えしました。
SAN-EIわくわくチャレンジの解説|わくわく教室49回目(2021/8/6)

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①経営方針の解説

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Aさん:今回からその中の①経営方針を解説していきます。
まず、自社は何のために存在するのか、会社が目指す最終目的地を示した「経営理念」があります。 次にその「経営理念」を実現するための会社の基本となる姿勢や考え方を「基本方針」で示しています。さらに「経営理念」「基本方針」を実現するために社員個人では何をするかという「行動理念」があり、この繋がりがわかると理解もしやすくなると思います。

本日はさらに絞って、「経営理念」「ミッション」について解説します。

経営理念の変遷

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Aさん:三栄商事の経営理念は「社員・お客様・仕入先様 3つの幸せを実現できる会社」です。
2013年6月に「お客様・仕入先様・社員 3つの幸せを実現できる会社」と明確に打ち出しましたが、2019年6月に70周年を迎えるタイミングで「社員・お客様・仕入先様」に変更しました。

社長:会社が成長するために必要なのは、売り上げを上げるためのシステムを導入するとかではなく、在籍している社員一人一人が成長していくことだと思っています。そうした考えもあって、社員を先頭に持ってきています。

経営理念 3つの幸せの意味

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Aさん:それぞれの幸せの定義を明文化しました。
まず、「社員の幸せ」は「明るく楽しく常に笑顔でいられるコミュニティの創造」「周りから感謝される」「生活が豊かになる」ということです。

社長:明るく楽しく常に笑顔で、というのは私が学生時代からずっと大切にしている言葉です。そういう会社をつくることが、社員の幸せにつながると思っています。

Aさん:「周りから感謝される」の周りというのも、この機会に明文化しました。主に社員や会社、お客様、仕入先様、家族、さらには事業を通して、地域、業界にも感謝されることを目指しています。

社長:「生活が豊かになる」というのは、感謝されることで仕事をいただけて、それが売り上げにつながり、社員の給与も増えて幸せになることです。

Aさん:次に「お客様の幸せ」。これは「お客様の儲かる商品を売る」ことで、お客様のパートナーとして一緒に成長し、お客様の売上・利益が伸びていくこと。
「仕入先様の幸せ」は「売らせていただく気持ちを忘れない」こと。これも仕入先様のパートナーとして一緒に成長し、仕入先様の売上・利益が伸びていくことを目指しています。

なぜ社員の幸せが最初に来るのか?

Bさん:社員の幸せが最初に来ることに、100%腹落ちできていないと感じています。周りから感謝されることが幸せというと、見返りを求めているような気がして、ありがとうと言ってもらえなくても喜んでもらえたらいいかなと思っています。自己満足かもしれませんが、それでいいのかなと。

社長:すべてにおいて社員の幸せが最優先される(社員ファースト)ということではなく、まず社員の幸せを実現することでお客様、仕入先様の幸せも実現していくという信念を表現するために社員の幸せを最初に置いています。

Bさん:社員ファーストではないことを正しく理解できていれば問題ないとは思います。ただ、例えば現場で判断を迫られたときに、経営理念に基づいて判断する必要があると思うのですが、社員の幸せが一番にあると、つい自分の利益を考えてしまう気がします。

社長:大企業だとこういった細かいニュアンスが伝わらないこともあると思いますが、三栄商事は100名に満たない会社だからこそ、同じ方向を見ていられると思っています。「社員の幸せが一番だから三栄商事だけが儲かれば良い」なんて動きをする人は、この会社にはいないと信じています。

ミッションとは

Aさん:ミッションは経営理念の補助的な位置づけです。
経営理念を存在意義としたときに、幸せを実現する手段として「新たな道を創造すること」を置いています。

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社長:「新たな市場を創り出す」は最終的な目標として、こういうことができたらいいなと考えています。価格をいくらにする、納期をどれだけ縮めるという競争ではなく、三栄商事のサービスを使いたい!と思ってもらえる市場を創ることができれば、本当の意味でお客様への価値を提供できると思っています。

まとめ

社長:これから数回はこのような形で一つ一つの意味を解説していきます。わからなかった、疑問に思っているなどあれば、どんどんリアクションをしてください。そういったリアクションをしていただけることが、理解そして浸透につながっていくと思います。

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今回のわくわく教室は「SAN-EIわくわくチャレンジ」の取り組みの理解を深めるため、企画室主導のなかで全体像を解説しました。

Aさん:先日の戦略共有会議で、社長から「SAN-EIわくわくチャレンジは経営理念を実現するための取り組みである」と解説がありました。そのSAN-EIわくわくチャレンジの全体像をまとめた資料としてこのシートがあります。

SAN-EIわくわくチャレンジ
Aさん:ただこれだと、何がどういう位置関係で、どれの優先順位が高いのか?個々のつながりがよくわからない。と、社員の中にはモヤモヤしている部分もあると思います。
そこで今回は個々の解説とつながりを紐解きながら、仕組みを理解してもらいたいと思います。

このシートは何?

Aさん:仕組みを解説する前に、このシートをどうやって作ったか教えてください。

社長:このシートは、数ある人事コンサルタントを比較した中から「人にフォーカスしている」という方針がマッチしている会社に作成協力をお願いしました。特に商社は「人」が大切だと考えています。たとえ「建物」や「商権」がなくなっても、「良い人」が残っていれば会社は永続的に続けられると思っています。

どんな仕組み?

Aさん:このシートは大きく3つのブロックに分かれています。

①経営方針|経営理念、基本方針、行動理念
②事業計画・経営戦略|定性ビジョン、定量ビジョン、事業計画、経営戦略
③人材育成計画|現状の人材レベル、5年後の社員人物像、ギャップを埋めるために必要な課題、人事理念


Aさん:一つ一つを見ていきます。

①経営方針ブロック

・経営理念|自社は何のために存在するのか、会社が目指す最終目的地
・ミッション|経営理念を成し遂げるために何をしていくのか
・基本方針|経営理念を実現するための会社の基本となる姿勢、考え方
・行動理念|経営理念、基本方針を実現するため社員に求める行動、考え方の指針


Aさん:この定義をもとにSAN-EIわくわくチャレンジを読んでいくと、つながりがわかりにくいところもあるように感じます。

社長:基本方針と行動理念はほぼ同時に作成したため、この定義の通りとはなっていません。実は70周年に向けて急ピッチで作成した経緯があります。今後より良いかたちに調整をしていきたいと考えています。

②事業計画・経営戦略ブロック

・定性ビジョン|5年後の自社のあるべき姿
・定量ビジョン|5年後に目指す経営上の数値
・事業計画|どう業績を伸ばしていくのか
・戦略(経営戦略)|どうやって計画を達成するのか


Aさん:これらは5年後に目指す会社の目標と、どのような戦略、計画でその目標に到達するかを示す項目です。

社長:以前は定量ビジョンを置けなかったんです。そんな未来の話は置いたところで、、、と思っていました。ただ、社員の幸せの一つに、今よりもお給料が上がっていくことがあると思っています。そのためには売り上げを上げていかないといけないので、初めて設定しました。

③人材育成計画ブロック

・現状の人材レベル|今いる社員がどのレベルにいるのか洗い出す
・目指すべき人物像|5年後の事業計画とビジョンを達成するためにどういう人材に成長してほしいか
・ギャップを埋めるために必要な課題|現実と理想の差を埋めるための方法を決める
・人事理念|人材に対する根本的な考え方、経営理念や基本方針を実現するにあたり最終的どんな人材に成長してほしいか


Aさん:ここでは社員がどこまでレベルアップすべきかという目標を明確にしています。

社長:人事理念を置くときに考えたのは、自立した人材ってどんな人だろう?ってことです。それを考えたとき「自分で考えて決めて行動できる人材」というのが出てきました。特に大事なのは「決めて」の部分。やることを意識して「決める」ことで次に進むことができると実感しています。

まとめ

Aさん:以上がSAN-EIわくわくチャレンジの全体像の解説となります。

社長:実は、今回初めての試みとして企画室主導でやりたいと相談がありました。ゲスト参加の立ち位置は新鮮でしたが楽しかったです。

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今回のわくわく教室は、前回に引き続き行動理念「提案営業でお客様を感動させよう」をテーマに、「提案営業」について話し合いました。

Aさん:補助金のことをあまり知らなかったお客様に補助金の提案をしたところ喜んでいただけました。

社長:だいぶ認知もされてきているけれど、「ウチはいいや」と思われているお客様も多いと思う。提案材料の一つとして上手く活用してください。

Bさん:いつも同じ購買や生産技術のお客様に会うのではなく、製造現場のお客様にもお会いすることで、現場の困りごとを聞くことができ、最適な提案をすることができました。

社長:同じ商品を同じお客様に営業していては事務処理のようなもの。担当者がお客様を知り、お客様の会社を良くする提案をしていくことが商社としての醍醐味だと思っています。

Cさん:ご依頼に対してデモ機を準備するなど、早めに動いたことを感謝していただきました。

社長:初動の早さは重要です。状況にもよりますが、即日で50%の対応をするのと、翌日100%の対応をするのでは、即日の方が印象良い。早く動くことは新人でもできるので、まずはメールで御礼を入れるなど、できることから始めてみましょう。

Dさん:お客様の工場内のラインテープがボロボロになっていたので、社内のラインテープ提案事例をSFAで確認し、実際に提案した社員から話を聞きました。調べた内容をお客様に提案したところ喜んでいただけました。

社長:まずはSFAを活用してくれてありがとう。このような活用事例が増えていくといいですね。信頼はこうした小さな努力の積み重ねでしか得られません。たとえミスしても、誠意をもって対応することで信頼していただけることもあるので、最後まであきらめずに対応するよう心がけてください。

まとめ

新入社員でも、10年目の社員でも、お客様に対してできることがあると思います。現状の知識、経験の中でできることを提案していくことが、商社としてやるべきことだと改めて実感しました。
“感動”はお客様の期待を超えることで初めて生まれます。お客様が気づいていないこと、そこまではできないだろうと思われていることを把握して提案していく。そのためにはお客様が何を考えているかを理解し、事実を把握していかなければなりません。その提案が必要かどうかはお客様が決めることなので、勝手に「要らないだろう」と決めるのではなく、まずは提案してみましょう。

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今回のわくわく教室では、行動理念「提案営業でお客様を感動させよう」をテーマに、「提案営業」について話し合いました。

Aさん:他のお客様で評価の良かったものを別のお客様に提案しました。

社長:実際に使用したお客様の生の声を、自分の言葉で伝えられるのが良いですね。

Bさん:提案営業を意識するだけで、提案営業しないといけないと思い、自然と行動につながってきます。

Cさん:お客様の課題が明確だったので、解決につながるだろう選択肢を提案することで、お客様と一緒に解決策を考えることができました。

社長:初めから最終の着地をイメージしていたわけではなく、最初は思いついたことを伝えただけですよね。つまり提案営業とはレベルの高い話ではなく、自分が考えられる選択肢を提案することだと思いました。それが次につながっていくのだと。

Dさん:当たり前にやっていると思っているけれど、実はやっていないことがお客様のなかにあります。今回、保守部品のリストを作成し見える化したことで、必要な提案をすることができました。

まとめ

今回の話を聞いて、「自分のお客様にも実践してみよう!」と考えて行動してもらえるようになると良いと思います。

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今回のわくわく教室では、前回に引き続き行動理念「お客様、仕入先様に対し、礼儀礼節をもって接しよう」をテーマに、「礼儀礼節」について話し合いました。

こんな話題が出ました!

●その場ですぐわからないことでも、まずは引き受ける
●言葉を大切にすることで信頼を得る
●個人的にこだわっている礼儀礼節


その場ですぐわからないことでも、まずは引き受ける

Aさん:自分ではわからないことでも、社外なら会社の顔として、社内なら課の顔としてまずは引き受けるようにしています。以前、たらい回しにされて嫌な経験をしたことがあるので、相手にはそうしないよう意識しています。

Bさん:私も営業でお客様から仕事を受けるとき、わからなくても一旦持ち帰らせてもらっています。昔はできたのに今はできないことも結構あって、それを何とかできないか、仕入先様に相談させてもらうこともあります。

言葉を大切にすることで信頼を得る

Cさん:お客様から信頼されるために、いい加減なことは言わないように、自分が言ったことは必ず守るようにしています。仕入先様に対しても、最終結果がどうなったかは伝えるようにしています。商社はモノを作っているわけではないので、結局自分自身を信頼していただかないといけないと思って意識しています。

個人的にこだわっている礼儀礼節

Aさん:相手の雰囲気が怒っているな、と感じたらまずは謝るように心がけています。問題によっては何でも謝らないほうが良いのかもしれませんが、何かしら事情があってのことだと思うので、会社として真摯に対応すべきだと思っています。

Bさん:昔言われて覚えていることで、「ありがとうございます」と「ありがとうございました」は使い分けるようにしています。次回すぐに会う人、また会いたい人などは「ます」を使うように、「した」で終わるとそこで関係が終わってしまうといった感じです。飲食店のアルバイトをしていた頃に聞いた話なので、あまり関係ないのかもしれませんが。

Cさん:わかったふりはしないようにしています。勇気はいるのですが、「わからないので教えてください」と言うのも相手に対して真摯に向き合うことにつながっていると思います。

Dさん:先輩からのアドバイスで、後輩への挨拶には気を付けています。以前は誰に対しても、ただ敬語で挨拶をするだけだったのですが、後輩には「おはよう!」と声掛けがすることで、少し距離が縮められたように感じています。ただ敬語を使うだけが相手にとっての礼儀ではないと気付くことができました。

Eさん:他社さんの例ですが、電話口で私に対して「お疲れ様です」と言われました。三栄商事では「お世話になります」が普通なので、違和感を覚えてしまいました。電話口の挨拶一つとっても、それが個人だけでなく相手の会社の印象にまでつながることもあるので、気を付けようと思いました。

Fさん:「ありがとうございます」って魔法の言葉で、言われて嫌な人っていないと思うので、助けてもらったり協力してもらったら必ず言うようにしています。

Aさん:Fさんはいつも丁寧で、私がゴミ捨て当番のときも、階段ですれ違っただけなのにゴミ袋を持って行ってくださって、本当に感謝しています。

あとがき

相手の立場に立って考えるのはもちろん、言葉一つ一つにも気を遣っていることがわかりました。今回お聞きできなかった方のこだわりも共有していければ、「三栄商事は礼儀礼節を持った会社」という評価が聞こえてくるのもそんなに遠い未来ではないかもしれませんね。

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